現場に恩恵が届く診療報酬改定を
2026年度の改定を読む上で、注目点は3つある。
第一に、賃上げや人材確保に関する評価が、スローガンに終わらず、現場の採用と運用に効く形になるか。
第二に、入院や救急、地域医療といった「人手のいる領域」に、現実的な配分が行われるか。
第三に、賃金上昇のスピードに対して、これまで通りの2年に1回の改定で間に合うのか。仮に間に合わないのであれば、その部分を補助金や加算などでどう埋めるのか、言い換えれば制度側が現実的な手当ての仕組みを用意できるか、である。
最低賃金の上昇は社会全体で見れば、望ましい流れである。問題は、その変化の中で、医療提供体制を「医療に関わる人々の献身で回る前提」のまま維持できると考えてしまうことにある。
現場を支える人材が消えて医療現場が回らなくなってしまうという兆しは、すでに多くの現場で見え始めている。診療報酬改定によって総枠がプラスになっても、現場を支える人材にその恩恵が届かなければ、現場は決して良くはならない。
【参考情報】
○令和8年度診療報酬改定について(令和7年12月24日)
○東京都最低賃金(1226円、効力発生日:令和7年10月3日)
○中医協総会開催一覧(第635回など)
○令和8年度診療報酬改定の基本方針の概要(第635回資料)
○中医協総会(第633回)議事次第:「賃上げについて(その1)」を含む
○社会保障関係予算のポイント(社会保障関係費の増加)
○募集時平均時給(東京都:全体1394円/販売・サービス1370円、2025年11月)
○医療事務の時給中央値(東京都:1325円)
○医療機関の倒産動向(2025年上半期:35件)
【参考文献】
○日本維新の会「社会保険料を下げる改革案」(2025年2月発表)
○政府「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針2025)」
○東京大学大学院の五十嵐特任准教授(2021年3月)OTC医薬品の潜在的医療費削減効果
○日本経済新聞「風邪薬などOTC類似薬、保険外しに勤務医7割賛成 開業医は消極的」
○日本医師会定例記者会見資料(2025年2月13日)
○NSAIDs経皮製剤による副作用リスクの学会報告


