中国の「崩壊シナリオ」5つのパターン

 中国軍中枢の連続粛清が示す習近平政権の「構造的危機」は、今後の中国がどのような軌道をたどるのかという「権力の自壊プロセス」を考える上で重要な示唆を与える。

 現代中国の行方は単一の結末ではなく、複数のシナリオを想定する必要がある。主要なパターンは次の5つに整理できる。

1. 静かな老害化・長期停滞(ソ連末期型)

 政治的硬直と経済停滞が長期化し、急崩壊はしないが衰退が止まらないシナリオ。

 統治は続くが、国力は徐々に萎縮する。

2. 宮廷クーデター型(内部エリートの反発)

 粛清の連鎖に耐えかねた党・軍エリートが、内部から指導部を入れ替える可能性。

 中国政治の伝統的パターンでもある。

3. 地方からの連鎖崩壊(準軍閥化)

 財政破綻や中央統制の弱体化により、地方政府が独自判断を強め、中央の統治が形骸化する展開。

 最も中国史に頻出する崩壊パターン。

4. 外部ショックによる急激崩壊(軍事冒険の失敗)

 台湾・南シナ海などでの軍事行動が失敗し、政権の正統性が一気に失われるシナリオ。

 軍の粛清で指揮系統が不安定な現状では、リスクが高まっている。

5. 老衰固定型(監視国家としての低位安定)

 監視・統制技術により急崩壊は避けつつ、経済停滞と社会不満を抱えたまま低位安定する可能性。

 北朝鮮型に近いが、規模が大きいため影響は甚大。

まとめ:前提は「強い中国」ではなく「不安定化する中国」

 これらのシナリオはいずれも、「強大で一枚岩の中国」ではなく、「内部から不安定化する中国」を前提にした分析である。