全米野球記者協会ニューヨーク支部主催の夕食会に出席した米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手(写真:共同通信社)
全米野球記者協会(BBWAA)主催の晩餐会が1月24日(日本時間25日)、ニューヨークで開かれた。ナ・リーグMVPに輝いたロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平が、2年ぶりにその席に姿を見せた。黒のスーツに身を包み、流ちょうな英語で語られたスピーチは、栄誉を誇示するものではなかった。
投票した記者、球団関係者、代理人、チームメート、コーチングスタッフ――そして最後に、日本にいる家族、妻の真美子夫人、愛娘、愛犬デコピンへと向けられた感謝の言葉。自らの偉業よりも、周囲への謝意を最優先する姿に、会場は静かな熱気と大きな拍手に包まれた。
ブルージェイズ、FA市場にドジャースを上回る資金投入
3年連続4度目のMVP。数字を並べれば、もはや説明を要しない存在だ。だが、この日の大谷は「王者」であると同時に、どこまでも謙虚な一人のプロフェッショナルだった。
スピーチを終えると、真美子夫人とともに静かに会場を後にする。その立ち居振る舞いまで含めて、今のメジャーリーグにおける“完成形”がここにある――。そう印象づけるには十分な夜だった。
一方で、その完成形を頂点とするドジャースという巨大な存在に、正面から挑もうとする球団がある。トロント・ブルージェイズだ。敗北の記憶を原動力に史上空前の資金を投じ、あからさまな覚悟を示したチームが大谷翔平という「基準」を打ち破るために動き出した。
その大谷、およびドジャースという“頂点”に正面から挑むカナダ唯一のMLB球団が今オフ、ストーブリーグのメジャーを席巻している。
米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」電子版「ON SI」が報じた最新のFA市場分析によると、ブルージェイズは2026年シーズンに向けたFA支出総額を3億5300万ドル(約550億円)にまで積み上げ、同じく巨額補強を敢行したドジャースの3億1450万ドル(約490億円)を上回る“今オフ最高額”となっている。

