慶應SFCが実施したユニークなAI検知の取り組み
「2. AI検知」は、禁止に失敗して試験や課題にAIが使用されてしまった場合に、それを技術的に検知するというものである。
たとえば、学生から提出されたレポートがAIによって生成されたものかどうかを判別するアプリケーションが既に商用化されており、さまざまな教育機関で導入が進んでいる。あるレポートによれば、そうした「AI 検出アプリケーション」市場の規模は、世界全体で2033年までに約52億ドル(約8200億円)に達すると予測されている。
他にもユニークな取り組みとして、慶応義塾大学SFCの事例を挙げておこう。
報道によると、SFCの総合政策学部で開講している授業「総合政策学」において、ある特殊なPDF資料が配布されたという。実はこのPDFには、人間には見えない形で、AIに対する指示が埋め込まれていた。そのためファイルをAIにアップロードして要約や感想を生成させると、内容とは無関係な結果が出力されるという仕組みだった。
これはそもそも提出に値しない結果を出力させるという点で、1.の技術的・物理的禁止策に近いが、AIに対する改変指示を学生にはわからない程度にすることによって、提出された課題の中からAIを利用したものをあぶり出すといった対策も可能になるだろう。
「3. 懲戒・制裁措置の導入」は、上記2つの施策とセットになることが多く、文字通り「ルールに従わなかった者を罰する」仕組みだ。
たとえば上智大学は、ChatGPT等のAIチャットボット使用を明確に禁止し、検出ツールで使用が確認された場合は剽窃と同等の厳格な措置を取る方針を示している。「使わせない」措置の実効性を高めるためには、こうした罰則をセットにする動きが欠かせない。