高市の消費税減税発言によって、財政規律が弛緩するという懸念から、長期金利が2.33%まで上昇した。

 2022年9月に発足したイギリスのトラス政権は、大規模減税(ミニ・バジェット)を表明したが、財源が明確ではなく、ポンド安、長期金利の急騰、株安のトリプル安となり、政権は潰えた。就任44日後の瓦解という英国史上最短の短命政権となったのである。

 高市の消費税減税も、国債に頼らないというだけで、財源を明確に示していない。つまり、トラス・ショックと同じことが起こる危険性があるのである。

予想つかない選挙の行方

 今回の選挙は、結果の予想が難しい。「分からない」というのが現状である。選挙は、選挙中の首相の失言などでも、状況が大きく変化する。

 中道改革連合が無党派層をどれくらい惹きつけることができるかが大きな注目点である。それに成功すれば、大幅に議席を伸ばすことになる。

 また、もう一つの注目点は、参政党の動向である。石破内閣の下では、自民党支持者の保守層の一部は、参政党に票を投じた。高市内閣になって、保守色が強まり、離反した保守層が自民党に回帰することが期待されるが、その期待通りになるかどうかは不明である。

 高市内閣は、外国人に対する規制を強化する方針であるが、それが保守層の回帰につながるか。参政党のほうが、さらに強硬な規制策を出せば、大きな効果は持たないかもしれない。参政党は、小選挙区で170人の候補者を擁立するという。

 さらに、中道改革連合の誕生が国民民主党に与える影響も読めない。中道改革連合に反発するリベラル派の有権者が国民民主党に投票するのか、逆に中道改革連合への期待が国民民主党の得票を減らすのか。

 以上のような点を考えただけでも、まさに結果は分からないと言うしかないが、高市が期待したほど自民党の議席が増えるとも思えない。

 解散総選挙に打って出るのなら、自民党は単独過半数を獲得することが最低の義務である。しかし、高市は勝敗ラインを「与党で過半数」と低く設定した。それは維新への配慮という面もあるだろうが、何とも勢いを欠いた戦闘宣言である。

 財政状況を見ても、外交安保を見ても、選挙は高市の目論見通りには進まないのではないか。