金門作戦と朝鮮戦争に見る中国の発想
今回の漁船団を理解するカギは、歴史にある。
金門作戦(1949):民間船舶の大量動員
国共内戦末期、中国人民解放軍は正規揚陸艦が不足する中、民間ジャンク船を即席徴発し、兵員輸送に使用した。
これは、「民間船舶を軍事作戦に組み込む」という中国の軍事文化の原型である。
朝鮮戦争:「山が動いた」「人海戦術」
人民志願軍は、夜間に大量の兵力を投入し、米軍から「山が動いた」と形容された。
目的は明確だった。
• 敵の認知を狂わせる
• どこが主攻か分からなくする
• 判断を誤らせる
「量で飽和させ、判断を狂わせる」という発想は、現代の漁船団にもそのまま受け継がれている。
漁船の用途:デコイ、武装化、分散上陸
今回の漁船団は、次のような軍事的役割を担い得る。
① デコイ:「エサ」としての漁船
• 米国・台湾などの対艦ミサイル・魚雷を誘引
• 米国・台湾の火力・注意力を分散
• 民間船撃沈の政治的リスクで交戦判断を鈍らせる
中国にすれば最も現実的で、相手にすれば最も厄介な使い方である。
② 武装化の可能性
技術的には、小型ミサイルを漁船に搭載することは不可能ではない。
しかし、武装が露見すれば「民間船」の保護を主張できなくなるため、
中国はむしろ「武装しているかもしれない」という不確実性を利用するだろう。
③ 分散上陸・人員輸送のプラットフォーム
• 小規模分散上陸
• 特殊部隊・工作員の先遣輸送
• ドローン母船
• 機雷散布の補助
正規揚陸艦の動きを隠し、防衛側を分散させる「補助線」として極めて有効である。