第2次世界大戦後の国際協力の歴史
第1次、第2次世界大戦という2度の大規模殺戮を経て、戦争の災禍を繰り返さないことを目的として、1945年に国家主権の平等を掲げる国際連合(国連)が設立された。
しかしこの国連は、設立のその時点から大きな矛盾を内包するものであった。
世界規模の戦争の災禍を招かないためには、国連が大国の安全保障を侵さないための担保が必要であり、そのため安全保障理事会の常任理事国たる5大国には、安保理決議への拒否権が与えられることになった。
この拒否権という特権制度は、他の諸国から反発を呼びがちな仕組みではあったが、その一方で「国家主権の平等」と「基本的人権の尊重」という2つの原則を前面に押し出してアピールすることにより、広く51か国が原加盟国となって設立を迎えることとなった。
その後、加盟国は増え続け、現在では193か国となっている。この2つの原則を建前としているがゆえに、国連は様々な国際協力の母体となって、有効な協力活動を行うことが可能となっている。
そして第2次世界大戦後の国際協力の進展を語る際に、国連と並んで忘れてはならないのは、何と言っても欧州連合(EU)であろう。
EUは、1952年に6か国で発足した欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)をルーツとし、欧州経済共同体(EEC)を経て、1993年のマーストリヒト条約によって設立された機関である。
国際協力と国家主権の関係を語る際にEUに言及することが不可欠なのは、EUが通貨統合や域内関税の廃止、域内のパスポート管理の廃止など、従来の国家主権の重要な一部を地域機関に委ねる稀有な組織だからである。
EUにおける協力は経済分野にとどまらず、外交・安全保障分野での協力のほか、EU法と欧州連合司法裁判所を持つなど司法面でも共同しており、国家主権を超えた国際協力の有効な実例となっている。
国連および関連諸機関とEUは、現代の国際協力の顕著な例であるが、このほかにも各種の国際協力のための機関や仕組みが存在することで、各国およびその国民が大きな利益を得ていることは否定できないだろう。