医師免許を持たない注射・点滴おばさん

 パク・ナレが声明を発表した翌日、元マネジャー側がメディア取材で「謝罪も合意もなかった」と全面否定したためだ。

 この食い違いは、韓国のオンライン世論に強い不信感を生み、「一方的なイメージ操作ではないか」との批判が噴出した。

 危機管理のために発表した声明が、結果的に信頼関係に深刻な危機をもたらした点は、エンターテインメント産業におけるPR戦略の難しさを象徴している。

 この騒動を社会問題へと押し上げたのが、「注射おばさん」「点滴おばさん」と呼ばれる人物の存在だ。

 元マネジャーや複数のメディア報道によれば、パク・ナレは自宅や車内、海外ロケ先など、医療機関以外の場所で点滴や注射を繰り返し受けていたとされる。

 問題は、これらの施術を行った人物たちが正式な医師免許を持たず、無資格・無許可で医療行為を反復的に行っていた疑いがある点だ。

 また、パク・ナレ自身も医師免許を持っていないことを知っていて医療行為を受けていた場合も問題となる。いまのところ、パク・ナレは「注射おばさん」「点滴おばさん」が医師免許を持っていると思っていたと主張している。

「注射おばさん」とされる人物はSNSアカウント上で、自分はモンゴルの某医科大学病院の教授出身であるとしていたが、実際はそのような大学は存在しないと報道されている。

 また、韓国の医師団体の一つである「公正な社会を望む医師たちの会」は、「注射おばさんがたとえ外国で認定された医大を卒業し外国の医師免許を持っていたとしても、韓国での医療行為をする場合は明らかに違法である」と指摘し、声明書を出した。

 大韓医師協会(韓国最大の医師会で日本の日本医師会に相当)が内部データベースを確認した結果、「彼女は、韓国の医師免許を持っていない」と発表した。