アイヌ民族を保護するために北海道に派兵?

 翻って、北海道ではアイヌ民族による伝統的な河川でのサケマス漁がいまだ認められていない。日本は少数民族の伝統や権利を軽視しているとロシアは主張し、ロシアの少数民族であるアイヌ民族を保護するために北海道に派兵するという口実を与えかねない。

 日本政府は、アイヌ民族は日本の少数民族であり、ロシアおよび南樺太に住むアイヌ民族とその子孫が、少数民族としての権利を奪われている現状を深く憂慮すると声明を出して、牽制すべきではないだろうか。

安木新一郎(やすき・しんいちろう)
函館大学商学部教授、択捉島水産会理事
専門:ロシア経済、貨幣史
略歴:昭和52(1977)年兵庫県生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得満期退学。経済学修士。外務省在ウラジオストク日本国総領事館専門調査員などを経て、2023年より現職。
著書:『ロシア極東ビジネス事情』(東洋書店、2009年)。『貨幣が語るジョチ・ウルス』(清風堂書店、2023年)など多数。