「抗日」の記憶で通じ合う中国と韓国

 これと関連し、中国外交部は韓国大統領の訪中を控え、12月31日に行われた中韓外相の通話内容を公開した。そこには韓国外交部が発表していない次のような内容が含まれている。

<王毅外相は「日本の一部の政治勢力が歴史を後退させようと試み、侵略・植民地犯罪を復権しようとする状況を迎え、韓国は歴史と人民に責任を負う態度を持ち、正しい立場を取り、国際主義を守護すると信じている。(これには)台湾問題において一つの中国原則を守ることが含まれる」と強調した。これに対し趙顕(チョ・ヒョン)韓国外交部長官は、「韓国が一つの中国を尊重する立場には変わりがない」と述べた>

中国の王毅外相(写真:ZUMA Press/アフロ)

 韓国メディアによると、この日の通話で王毅外相は対話の相当部分を日本に対する批判に費やしたという。

 1月2日には魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長が李在明大統領の訪中に対する記者団ブリーフィングを開き、「私たちは一つの中国を尊重する立場だ。そしてその立場に従って対処している」と明言した。

 3日には中国のCCTVが李在明大統領のインタビュー内容を公開したが、これによると、李大統領は「中国の最大の懸案と言える台湾問題において『一つの中国』を尊重するという立場に変わりはない」と一つの中国を支持する立場を再度強調した。

 また、韓国と中国の過去の抗日運動に対する質問が出ると、「自国の利益のために他国を侵略したり他国人民を虐殺したりすることは二度と起きてはならない」と日本の侵略戦争を批判した後、「韓国と中国が侵略に共同闘争した歴史的経験が非常に重要だと考える」といった発言も公開された。

 台湾有事をめぐる日中の対立が激化している中、トランプ米大統領は「沈黙」を守っている。これが、李在明政権に誤ったシグナルを与えているのかもしれない。