急速に改善に向かう中韓

 25年6月、韓国の政権が再び進歩系の手に渡ると、中韓関係は急速に動き出した。

 尹大統領の弾劾によって発足した李在明政権は、米国と中国の間で米国側に立つという立場を明確にした尹錫悦政権とは異なり、米国と中国の間で韓国はどちらにも立たず、国益になる外交をするという「実用外交」を前面に出し、中国との関係改善に積極的な意志を示した。中国と日本が対立するきっかけになった台湾有事問題においても、李在明大統領は「韓国とは関係ない」という立場を維持してきた。

 24年4月の尹前大統領のロイター発言が中国の強い非難を受けることになると、当時共に民主党の代表だった李在明氏は、あの有名な「謝謝外交論」を展開し、尹錫悦政権の価値外交を非難した。

「中国と台湾の国内問題がどうなろうと、われわれ(韓国)に何の関係があるか。私たちだけはただ豊かに暮らせばいいじゃないか。なぜ中国に歯向かうのか。ひたすら『謝謝』すればよい。台湾にも『謝謝』だけ言っておけばいいじゃないか」

 この発言に対して中国メディアは、「李在明氏が中国に対する尹錫悦の不適切な発言が耐え難い外交悪材料をもたらす恐れがあるという点を警告した」として特筆大書した。

 李大統領は大統領候補時代の25年5月の米タイム誌とのインタビューで、「中国が台湾を侵攻する場合、台湾を助けるのか」という質問に対し、「宇宙人が地球を侵攻しようとしたら、その答えを考えてみる」と応じた。韓国に対し両岸問題で米国側の立場に同調するよう要求してきた米国政界に向けた嘲弄にも聞こえる。中国が今年最初の外国賓客として李在明大統領を招待したのは、まさにこのような李大統領の性向を考慮した戦略的判断だと分析されている。

 中国は新年最初に招待する海外首脳を通じて、その年の中国の外交優先順位と方向性を「象徴」的に示してきた。中国が今年最初の外賓として李在明韓国大統領を選択したということは、中韓関係改善に対する意志を示す一方、韓国大統領の口を通じて「一つの中国」原則を再確認し、台湾有事の際、韓国はどちらの側にも立たないという約束を取り付けようという戦略なのだろう。