世代間格差の象徴にも
なぜファッションが「蔑み」に転化するのか。
重要なのは、これらのスタイルが経済的余裕と切り離せない点だ。ヤングフォーティーは、「安定した職」、「住宅資産」、「消費余力」を持つ世代であることが多い。
そのため若者から見ると、「金銭的余裕があり選択肢の多い立場の人間が、若さまで追求している」ように映る。
ファッションはその格差を最も視覚的に露呈させる装置なのだ。
若い人が自分たちの間で通用する新しい言葉を好んで使うように、ファッションも世代を象徴するアイテムである。
韓国社会において、ヤングフォーティーのファッションは単なる個人の趣味を超え、世代間の緊張を可視化する装置になっている。
若さを維持しようと努力する40代、未来を奪われたと感じる20代、消費を煽る企業、年齢を否定し始めた社会構造、それらが交差する地点がファッションなのである。
ヤングフォーティーは、韓国社会における高齢化、世代間格差、1997年のアジア通貨危機以後の新自由主義、外見至上主義が凝縮された存在ともいえる。
ファッションを通じて嘲笑されるか、世代間の橋渡し役として尊敬されるか――。
その差を分けるのは、「若く見えるか」ではなく、誰と現実を共有しようとしているかである。
ヤングフォーティーは、若さを演じる世代として終わるのか。それとも、成熟社会の新しい大人像を示せるのか。その答えは、彼らが何を着るかより、どの立場に立つかにかかっている。
韓国で定着したヤングフォーティーという言葉は、40代という年齢を否定する概念ではない。
むしろ「年齢に縛られず、若い精神を保ちながら新しい未来を切り拓く中年像」を意味する肯定的な言葉として登場した。