(画像:Yuriy Boyko_Ukraine/Shutterstock)
韓国ソウルのある大学の寮が、規定違反を犯した2人の留学生に対して退寮処分とすることを発表した。ところが、このとき同時に留学生の国籍を公開したことで韓国メディアから袋叩きにあっている。
寮の部屋で喫煙をした2人に留学生が中国人であることを明らかにしたことから、メディアから「嫌中的だ」と非難を浴びせられているのだ。
国籍表記はこれまでの慣例、それなのに今回問題視された理由
崇実大学校の学生寮は「喫煙」を理由に2人の留学生に対して退寮処分を決めた公告文を発表した。寮の規定によると、生活館内の喫煙について2回以上摘発されれば強制退去措置が行われることになっている。
公告文には懲戒対象者の性別や学籍番号の一部と懲戒理由が書かれていたが、問題になったのは彼らの国籍について「中国」と明記したことだった。これに対して一部から、懲戒理由と直接的な関連がない国籍を明記し「嫌中」感情を刺激した、という非難が出てきたのだ。
韓国メディアによると、崇実大学校のネットコミュニティはもちろん、大学生の匿名コミュニティである「エブリタイム」では、公告内容が共有されて中国人留学生に対する嫌悪表現が多数書き込まれるようになったという。
崇実大学側は「特別な意図をもって中国人留学生に恥をかかせる目的で国籍を掲示したわけではなかった。国籍表記はこれまで慣行的にしてきたもので、韓国人学生たちも国籍を表記してきた」などと釈明しながらも、今後は国籍表記を再検討するという立場を明らかにした。
崇実大学側によると、これまで国籍表記に対する苦情は全くなかったという。それがなぜ今回、問題視されるようになったかと言えば、それは最近韓国社会の論争の種になっている若者世代の「嫌中感情」を強く刺激したからだろう。