③国や自治体等による規制

 不動産高騰に対する国民の不満の声が高まる中、国や自治体が不動産マーケットの鎮静化を促す動きが出てきている。今年は何らかの規制が施されるようになることが予想される。その分野は「外国人」「転売」そして「節税」だ。

③-1 外国人不動産

 外国人によるマンション爆買いが価格上昇の一因となり、購入に何らかの規制を掛けようという声が大きくなっている。こうした指摘を受け、国土交通省では購入実態の調査に乗り出した。

 だが調査方法が不動産識別情報における購入者の住所が海外かどうかだけをチェックしたものであることから実態の解明には至っていない。日本国内に設立したペーパーカンパニーで買う、日本人名義を借りる、そして在留外国人による購入などが考えられるからだ。

 また購入はマンションだけでなく、国防上、安保上重要な不動産に対する規制の強化が叫ばれている。規制の方向によっては不動産マーケットに一定の影響が及ぶ可能性は無視できないだろう。

③-2 転売

 国土交通省調査でもうひとつクローズアップされたのが取得後1年以内に転売する者が国内外を問わずかなり多数存在することがあきらかになったことだ。

 すでに業界では、不動産売買契約締結後、物件引き渡しまでの期間に転売する行為については、売主が摘発し、契約時に収受する手付金(通常は物件価格の10%程度)を没収するルールを新たに設定するなどの対応措置が施されるようになっている。だが引き渡し後の転売について規制をしているわけではないので効果は限定的だろう。

 一方で、国民民主党は転売を目的としたマンション所有者が空室のまま物件を放置することを防ぐ目的で税を課す空室税の導入や、取得後2年未満に転売する際の不動産譲渡について重課する制度(超短期不動産譲渡税)の創設などを唱えている。

 業界の対応はあくまでも引渡し前の転売に関する規制だが、仮に国民民主党の案が採用されると転売目的でキャピタルゲインを得ようとする投資行動はかなりの制約を受ける可能性がある。

③-3 節税

 意外と大きな影響がありそうなのが節税対策の封じ込めだ。狙いとするのは、高齢富裕層が相続評価額を圧縮するために相続に備えてタワマンなどの区分所有マンションや一棟ものの賃貸マンションなどを購入する動きである。

 国は物件取得後5年を経過していない財産において、マンションなどの賃貸用不動産については購入価格をベースにその8割の水準で評価する、不動産小口化商品については時価で評価することとする改正を発表した。

 実施は2027年1月からだが、節税用にマンションや不動産小口化商品を買って対策を行う動きはかなり制約されることになりそうだ。

 インフレが進行する日本社会で実物資産に対する投資は活発化するだろうが、だからといって不動産も当然のように相場が上昇の一途だと考えるのは早計だ。

 金やプラチナは劣化しない実物資産だ。金が上がることを喜ぶ人は多いが、上がりすぎだと批判する人は少ない。

 ところが不動産価格については規制という話が出てくる。その理由は、不動産は人々が社会生活を営むために必要な社会インフラであるからだ。

 人々の生活を一切無視した価格形成が行われてきたマーケットは今年、その調整局面を迎えることとなりそうだ。