③そうこうするうち、コロナ禍以後、局内のパワハラ、セクハラ体質が糾弾されるようになり、ろくでもない連中が番組を作っていることが露呈した。

④その根底には、視聴率至上主義がある。その上、テレビ局員、タレントを問わず、番組を作っている連中の、おれたちはテレビだぞ、という傲慢な意識がある。松本人志事件はその象徴だ。

 それに加えて――

⑤いまや男女のアナウンサーたちが自己主張をはじめ、タレント気取りである。ストレッチと称して体を動かすテレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」の気象予報士。それに喜々として応じる司会者と玉川某コメンテーター。

 まったくお気楽な連中だ。

⑥それでどんな番組を作っているかといえば、旧態依然としたバラエティ番組、まるで笑えないお笑い番組、幼稚なドラマ、お手軽なグルメ番組ばかりである。

 最悪なのは「お笑い芸人」主体の番組である。お笑い芸人がいないと、テレビはもたない。かれらとのもちつもたれつの嫌らしさが目に余る。

⑦テレビで映し出されるCMもばかばかしくて見ていられない。

 俳優がドラマで、どんなに深刻な顔をして演じてもだめである。ビールで口に泡をつけた顔や、不動産会社のモビルスーツを着た顔や、浮かれまくっている宝くじの顔が出てきて、台無しである。

“報道加害”はどうなった?

⑧ニュースもひどい。

 番組の時間が固定されているから、時間の埋め草として、愚劣で無意味なものまでがニュースとして垂れ流される。世界中で防犯カメラが設置され、個人にもスマホが普及した結果、ゴミみたいな映像までニュースとして放映されるのだ。

 災害時のテレビのアナウンスがまたひどい。「すこしでも命の助かる可能性がある行動をとってください」って、なんだ?

 テレビは気象庁に指示されたセリフを繰り返すだけで、あんたたちにいわれなくても、国民はそれぞれの状況のなかで、精一杯の行動をとるよ(そして必ずマヌケなアナウンサー1人がヘルメットを被っているのだ)。