中国外務省の毛寧報道局長(写真:dpa/時事通信フォト)
(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)
中国の薛剣・駐大阪総領事の暴言に端を発した中国側の、いやがらせ攻撃(かれの発言は、中国国内ではほとんど知られていないらしい)が止まらない。
中国の薛剣駐大阪総領事(2023年8月、写真:時事通信社)
高市首相の「存立危機事態」を「武力行使」と読み替え(朝日新聞の記事が元ネタだという)、それ以来、中国は開き直って、過度の反応による誇張、捏造、嘘八百の口撃を重ねて、日本に対する執拗な嫌がらせをしている。
それだけならまだしも、軍による実際の挑発・威嚇行動までやっている。口では平和をいいながら、すぐその裏でチンピラまがいの威嚇をして平気な国なのだ。
10年ぐらい前か、中国は、国としては大国になったのに、海外での中国人旅行者の不評を懸念し、マナーやルールを守るようにと指導したが、余裕がなくなると、共産党自身がなりふり構わず、本性むき出しにして馬脚を現しているのである。
中国には「死不認錯」という言葉があるという。死んでも謝らない、という意味である。
かれらにとって、謝ることは負けることなのだ。
やたら自尊心が高く、メンツにこだわる。メンツを保つためなら、平気で嘘をつき、相手に責任をなすりつける。
そして、自分はあくまでも正しい、といい張る。嘘八百をいっておきながら、正しさは欲しいのだ。最悪である。
かれらの反日行動は、感心するほど、執拗である。そのせいで、われわれは中国側の歴代の報道官を知っている。老けたトッチャン坊やみたいなのから、現在の毛寧まで(彼女はAI動画で茶化されてから、姿を消したようである)。
中国の林剣外交部報道官(写真:EPA=時事)
他方、日本の報道官を見たことがないのである。もっと外務省は日本の主張を海外に向けて発信せよ、といいたい。