田中功起《可傷的な歴史(ロードムービー)》 2018年 ビデオ・インスタレーション 個人蔵
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(ライター、構成作家:川岸 徹)

地理的にも文化的にも近しい隣国である韓国。横浜美術館リニューアルオープン記念展「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」では、1965年の日韓国交正常化から60年となる節目に合わせて、日本と韓国の関係性を両国のアートを通じて考察する。

3年の調査・準備期間を経て開幕

 1965年6月に日韓両国が「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」に署名し、同年12月18日に批准書を交換。両国の国交は正常化され、国際社会の様々な課題への対応や解決に向けてパートナーとして協力していく重要な隣国となった。

 国交正常化から60年の間に日韓では官民双方による交流や協力が積み重ねられ、2024年には両国間の相互の往来者数が1200万人を超え、過去最多を大きく更新。ドラマや映画、音楽、ファッション、メイクといったKカルチャーは、多くの日本人にとって身近で日常的なものとなっている。

 その一方で隣国ゆえの難しさも存在している。お互いの思想や発言などに過敏になり、時には関係性がぎくしゃくしてしまうこともある。それでも隣国という関係は変わらない。地理的にも文化的にも近しい他者として長い歴史を歩んできたお互いの国のことを、もっと深く知るべきだろう。

 1965年の日韓国交正常化から60年となる節目に合わせて、横浜美術館で開幕したリニューアルオープン記念展「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」。韓国の国立現代美術館(MMCA)との共同企画によるもので、3年間の研究・調査を経ての開催となった。横浜美術館に続いて、2026年5月からは韓国の国立現代美術館果川でも開催される(韓国での展覧会タイトルは「ロードムービー 1945年以降の韓日美術」)。