金利上昇がバブル崩壊の引き金に?
長期金利は既に上昇している。
ブルームバーグは10日「世界の中央銀行の利下げ局面が終わったとの観測が強まったため、世界の長期国債の利回りは2009年以来の高水準に戻っている」と報じた。
長期金利がさらに上がるリスクもある。
国際通貨基金(IMF)は10月中旬、ステーブルコイン(法定通貨に価値が連動する暗号資産)の保有者が一斉に換金する動きが生ずれば、ステーブルコインの発行体が国債などの準備資産を大量に売却する事態に追い込まれる恐れがあると警鐘を鳴らした。
ステーブルコインを含む暗号資産市場(時価総額)は足元で数兆ドル規模となっているが、11月以降、逆風にさらされている。
暗号資産の代表格であるビットコインの価格は10月、過去最高値の12万6000ドル(約1950万円)を付けた後、11月には約8万5000ドルを割り込むほど急落し、その後も弱気相場が続いている。S&P500などの株価が過去最高値近くで推移しているため、ビットコインを売って株式を買う動きが止まらない。
ビットコインの不調が続けば、ステーブルコイン市場にも悪影響を及ぶのは確実だ。そうなれば、発行体による国債売却の動きにヘッジファンドなどの投機筋が便乗し、長期金利が高騰することになるだろう。
このように、金利全般が上昇する可能性が高く、AIバブルが崩壊するのは時間の問題なのかもしれない。
現在のAIバブルが2000年前後のITバブル期と比較されることが多くなっているが、当時のテック企業は負債をほとんど抱えていなかった。だが、今回は大手テック企業ですらデータセンター建設に要する多額の資金を外部から調達しており、金融市場に与える影響は甚大なものになるだろう。
金融市場ではテック企業の財務に対する懸念が広がり始めている。