米国の強さ:AIと半導体企業間の近さ
米国はAIモデル企業(OpenAI、アンソロピック=Anthropic、グーグルなど)と半導体企業(NVIDIA、AMD、インテル)をすべて国内に抱えています。
この地理的・文化的・資本的な近さが、AI競争における最大の強みです。
今回のワラント付与は、米国内のAIエコシステムが企業間の取引を超えて、企業間の資産共有へ進みつつあることを示しています。
日本から見ると、まるで同じ家族のように手を取り合っているように見えることもありますが、実際は合理的なサプライチェーン最適化です。
これは、日本が見習わなければならない、極めて重要なポイントです。
この契約が日本企業に突きつける現実
OpenAIとAMDの提携が示しているのは、AI競争の主導権は技術者の数や研究力ではなく、計算資源の確保力によって決まるという現実です。
日本は研究者の層が厚く、アルゴリズムの論文数でも評価されています。しかし、GPU供給で後れを取れば、どれだけ優秀な研究も実装段階で止まってしまうでしょう。
最近、ある経営者が私に「AIを導入しようとしても、GPU不足で計算環境が確保できない」 と嘆いていました。
米国の大手クラウドが優先的にGPUを押さえていれば、日本企業が入手できる枚数は当然限られます。
OpenAIの動きは、その格差がさらに広がる可能性を示唆しているのです。