「CUDA」の牙城を崩せるか
今回の提携協議が実現すれば、AI半導体市場の勢力図に変化が生じる可能性がある。しかし、エヌビディアの優位性が即座に崩れるわけではない。
グーグルにとって最大の障壁はソフトウエアだ。
世界で400万人以上の開発者が、エヌビディアのチップ向けAI開発基盤「CUDA」を利用しており、この強力なエコシステムが同社の「堀」となっている。
グーグルがTPUを普及させるには、ハードウエアの性能だけでなく、開発者が容易に移行できるソフトウエア環境の整備が不可欠となる。
AI開発競争は、モデルの性能にとどまらず、それを支える半導体と電力、そしてコスト効率の勝負へと深化している。
メタとグーグルの接近は、1社独占時代から、複数のプレイヤーが最適解を模索する群雄割拠時代への転換点となるかもしれない。
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