加速する「協調と競争」
この動きは、今年8月に判明した両社のクラウドインフラ契約(約1兆5000億円規模)に続く、連携強化の第2弾と言える。
広告事業やAIモデル開発で激しく競合するメタとグーグルだが、インフラ層においては手を組む「協調と競争(Co-opetition)」の戦略が鮮明になっている。
グーグルにとって、メタという巨大な顧客をTPUのエコシステムに取り込むことは、自社チップの性能を市場に証明する絶好の機会となる。
これまでグーグルは、TPUの計算能力を主に自社サービス(検索、YouTube、Geminiなど)で活用したり、クラウド経由のレンタルで提供したりしてきた。
メタのような外部の巨大企業が自社データセンターにTPUを導入することになれば、半導体市場におけるグーグルのプレゼンスは劇的に向上する。
WSJによると、米AI新興のアンソロピックも、グーグル製チップの使用に数百億ドル規模を投じる計画を発表した。エヌビディア包囲網が形成されつつある。