中国外交部も同日午後11時6分に、報道官談話を発表した。

「中国軍がすでに本件について厳正な立場を表明した。事実と真相は十分明確であり、日本の戦闘機が、中国が正常な軍事活動を行っているのを頻繁に偵察干渉したことこそが、最大の海空域の安全のリスクなのだ。中国は日本のいわゆる申し入れを受け入れない。その場ですでに反駁しており、かつ北京と東京で、それぞれ申し入れへの抗議を提出している。

 昨今の情勢下で、日本はいわゆる『レーダー照射問題』を捏造している。白黒をひっくり返して責任転嫁し、局面を緊張化させ、国際社会を誤導しようという下心が見え見えだ。

 中国は、これに決然と反対する。中国が正常な演習訓練活動を行う中で、危険な行為を即時停止し、一切の無責任な虚偽でっち上げと政治操作を停止するよう強く促す」

 こうした中国側の姿勢には、思わず「盗人猛々しい」という言葉が浮かんでくるが、それでも中国側が挑発してくる「予兆」はあった。

中国の圧力にさらされる日本に手を差し伸べる台湾、そこにも反発する中国

 まず、台湾の頼清徳総統が11月20日、自身のSNSに「きょうの昼食はお寿司と味噌汁です」と写真付きで投稿した。その翌日には、福島第一原発の事故で一部禁止していた日本産水産物の輸入を、全面的に解禁した。11月26日には、「民主台湾を守護する国家安全行動指針」幹部会を開き、2026年度予算でGDPの3%、2030年までにGDPの5%を達成するなどとした「8つの行動」を発表した。

 こうしたことに対して、11月28日に中国外交部の毛寧報道局長は、例の「戦狼外交口調」で一刀両断した。

「日本はそもそも、半世紀の長きにわたって台湾を植民地統治したのであり、筆舌に尽くしがたい罪行を犯したのだ。それを民進党当局(頼清徳政権)の『媚日謀独』は、恥ずべき行為だ」

「媚日謀独」(メイリーモウドゥ)とは、「日本に媚びて独立を謀る」の意だ。それまでは、「倚美謀独」(イーメイモウドゥ=アメリカに寄りかかって独立を謀る)と非難していたが、そこに日本も加わったのだ。