巨大なAIを動かすにはインフラが不可欠
「ChatGPT」やグーグルの「Gemini」のような巨大AIを動かすには、膨大なGPUとクラウドインフラが必要です。
そしてAIの利用コストは半導体の供給力に直結します。
TSMCの熊本工場の稼働によって、日本企業が次世代半導体にアクセスしやすくなり、AIクラウドの価格も中長期的に下がる可能性もあるでしょう。
先日、半導体商社に勤める知人が、GPUの価格動向はAIの普及速度そのものだと言っていました。
半導体の価格が安定すればAIの利用料も下がり、結果として多くの企業がAIを活用しやすくなります。つまり、今回の政府投資はAI活用の未来を支える下支えと言えるでしょう。
AI導入が進む中で、最も深刻な問題は企業間のAI格差です。
AIを積極的に活用する企業では、見積作成、営業資料の作成、問い合わせ対応、決算処理、法務チェックなど多くの業務が自動化されています。
一方、AI未導入企業では業務負荷が増え続け、人材不足が深刻化するばかりです。
AIは決して人の仕事を奪う存在ではなく、人がより価値の高い仕事に集中するためのパートナーだと実感します。
反対に、AIを導入しない企業では繁忙期になると業務がパンクし、社員が疲弊するのです。
こうした状態が続けば、採用にも悪影響を及ぼし、若手はAIを使える企業へ流れていきます。企業の競争力はAIの有無で決定的に分かれていく時代が到来しているのです。