中国で最も有名な日本人俳優が「一つの中国を支持する」

4位<日本の俳優・矢野浩二が発信:一つの中国を永遠に支持する>

 矢野浩二は、私も北京駐在員時代にご近所の誼(よしみ)だった、中国で最も有名な日本人俳優である。日本で俳優として芽が出ず、2000年に中国にわたって大スターに成り上がった。彼と会食する時は、周囲の中国人がサインや撮影を求めて大騒ぎになるので大変だった。

2016年、北京の日本大使公邸で外務大臣表彰を受けた俳優の矢野浩二氏。右は木寺昌人駐中国大使(写真:共同通信社)

 発信した文章は中国語だが、訳すと以下の通りだ。

<25年前、私は独りで中国へやって来た。最初は知る人もなかったが、いまのように温かみをもらうまで、この土地は私に、仕事・友情・人生の意義を与えてくれた。

 中国は、私の第二の故郷であるばかりでない。もっと言えば、私に新たに「家」を認識させてくれた場所だ。

 この地で、私には兄弟があり、家族があり、我が家の愛とパートナーと支持がある。

 私はこれら一切を、永遠に大切にしていく。同時に一つの中国を永遠に支持し、あなたたちを永遠に愛していく>

5位<中国側は「五四運動の青年服」を着て日本の官僚と会った>

 これはある北京の投稿を、『環球時報』が転載したものだ。「五四運動の青年服」とは、1919年5月4日、北京で対華21カ条の要求の撤廃を求めて起こった反日運動の時に学生たちが着ていた服である。

<11月18日、外交部アジア司長(局長)の劉勁松が、日本外務省アジア大洋州局長の金井正彰と面会した。中国側は五四運動の青年の装いで、胸には国章を佩戴(はいたい)していた>

 私は失礼だが、映像で見た劉局長の珍妙な服装は、北朝鮮から人民服でも借りてきたのかと思った。

6位<日本の官僚が頭を垂れて中国側の話を聞いた>

 これは、昼食も交えて行われた日中局長級会談を終えて、午後2時頃に外交部の玄関前に現れた両局長の姿が、中国のネットやSNS上で話題を呼んだものだ。その映像を見ると、両手をポケットに突っ込んで、ふんぞり返った格好の劉局長に、金井局長が頭を下げて詫びているようだ。実際には、中国側の「演出」である。

中国外務省の劉勁松アジア局長(手前右)との協議を終えた日本外務省の金井正彰アジア大洋州局長(同左)。劉アジア局長が両手をポケットにつっこんでいるのは明らかな演出である(写真:共同通信社)

 だが金井局長も、日中のマスコミに囲まれてうつむいたり、苦虫を噛み潰したような渋面だったりと、「テレビ映り」は決してよいとは言えなかった。日本の立場を主張するために「敵地」に乗り込んだのだから、もっと胸を張って正々堂々と、溌溂(はつらつ)としていればよかった。