「みんなで大家さん」がかなりマズイ状況にあると言える理由
みんなで大家さん問題で一番の懸念点は、「不動産開発事業の実態はどうなっているのか」であることを思えば、これらの処分は本質を外しているのではないかと思われます。
仮に成田案件が頓挫していたり、資金の不正流用があったりするような場合は、不動産特定共同事業法が定める行政処分(登録取消・業務停止等)の要件として定める「不動産特定共同事業に関し、不正又は著しく不当な行為をしたとき。」に該当するとして、業務停止や許可取消を実施する必要があります。
2025年9月末には、成田案件以外のプロジェクトでも分配金がストップしたというニュースがありました*10。『「ゲートウェイ成田」と呼ばれる主力プロジェクトは、配当が3カ月連続でストップ。他の商品にも波及し、合わせて27商品に配当の遅れが出ました』と報じられています。
*10:みんなで大家さん配当遅延拡大 “北九州バナナ事業”実態は?「生産確認できず」
これは非常に危険な事態が懸念されます。なぜかといえば、こうしたファンドの運営には「分別管理義務」が課されており、それぞれのプロジェクトごとに資産は厳格に分離していなければなりません。あるプロジェクトで赤字が出たから他のプロジェクトの黒字で補填しようというのは許されません。
ですので、理屈の上では、仮に成田案件がボロボロだったとしても、他のファンドの運営には影響がないはずなのです。
報じられているように、成田案件が「他の商品にも波及」したのであれば、かなりマズイ状況ではないでしょうか。成田案件が苦しさを増す中で、突如他の27のファンドでも分配金の停止が起きたということは、成田案件への資金の流用が疑われかねない、非常に危険なシグナルになります。 さらには、一般的に分別管理義務が徹底されていないファンドでは、私的な流用も容易に起きる可能性があります。分別管理義務はファンドにとっては絶対の義務なので、これが守られていないということはコンプライアンスやモラルが崩壊している可能性が極めて高いです。監督官庁としてはすぐに深度ある調査を実施すべきだといえるでしょう。