第3のAIを審判として使う

 さらに興味深いのは、第3のAIを審判として使う方法です。

 例えば、GPTとClaudeの見解が分かれた場合、Geminiに両者を比較し、どちらがより信頼性が高いかを尋ねます。

 まるで知的な三角測量のように、AI同士の差異が精密な判断を導き出してくれるのです。

 セカンドAIの発想を生かすには、それぞれのAIの個性を理解しておくことが重要です。

 GPTは「整っているが平均的」、Claudeは「思慮深いが抽象的」、Geminiは「リアルタイムだが冗長になりやすい」など、モデルごとに性格が異なります。

 これを人間のチームにたとえると、GPTはプロジェクトマネージャー、Claudeは哲学者、Geminiはリサーチャーといった役割分担です。

 このようにAIを「使い分ける」ことで、知の偏りを減らすことができます。

 特に専門外の分野では、1つのAIの回答を鵜呑みにするよりも、別のAIの意見を照らし合わせる方が安心です。

 私自身も、法律や医学などの専門外の領域を扱う際には、必ず2つ以上のAIをセカンドオピニオンとして使っています。

 これはもはや安全装置というより知的ダブルチェックです。とはいえ、どんなにAI同士を比較しても、最終的な判断を下すのは人間です。

  AIが完全に一致した答えを出したとしても、何か違うと感じる瞬間があります。

 その違和感こそ、AIにはまだ持てない第六感です。