分散投資に向く債券投信とは、今後はMMFも選択肢?
——個人でGPIFのポートフォリオを実践しようとした場合、どのような金融商品がありますか。
宇根:eMAXIS バランス(4資産均等型)は、日本株、日本以外の先進国株、日本債券、日本以外の先進国債券におおむね25%ずつ分散投資しており、これ1本でGPIFのポートフォリオを実践できます。ただ、この商品は信託報酬がオルカンより若干高いことには注意が必要で忙しい方はこれで十分ですが、手間をかけられる方はもうひと手間かけても良いと思います。
そこで、4つの資産に個別に投資する手法があります。対象商品としては、日本株ならば日経平均やTOPIX連動の投信は数多くありますし、世界株ではオルカンがあります。債券については、外国債券ならば「iシェアーズ 米国国債 7~10年 ETF(ティッカーコードIEF)」「iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(同LQD)」がありますし、米国債そのものを購入するのもいいでしょう。
——ただ、日本国債の金融商品は見つけにくいです。
宇根:日本にもかつて、公社債などを投資対象とした投信であるMRF(マネー・リザーブ・ファンド)やMMF(マネー・マーケット・ファンド)がありましたが、低金利下で販売停止となりました(編集部注:MRFは、MMFに比べて投資対象が短期で、解約時の信託財産留保額がかからないといった特徴がある)。残念ながら、日本債券枠は、現金で持っておくのがいいでしょう。
金利が高いからといって、30年の日本国債や、リスクの高い企業が発行した社債に投資するのはお勧めできません。ただ、日銀の利上げで金利ある世界が復活したため、主要金融機関がMMFを復活するという報道もあります。今後はMMFも選択肢になりえます。