
新NISA(少額投資非課税制度)も2年目に入り、株式投資をする人の裾野が広がっています。一方で、昨夏の「日銀植田ショック」、今年の「トランプ関税ショック」と痛手を被っている投資初心者も少なくありません。初心者が爆速で資産を増やすにはどうしたら良いのか。『5年で1億貯める株式投資 給料に手をつけず爆速でお金を増やす4つの投資方法』(ダイヤモンド社)の著者で、「湘南投資勉強会」を主催する個人投資家のkenmoさんに聞きました(取材日:2025年5月22日)。
(河端里咲:フリーランス記者)
「コツコツ・分散・ほったらかし」と真逆
——新NISAも2年目に入り、株式投資を始める人が増えています。
kenmo氏(以下、敬称略):ここ2年ぐらい、本屋では「新NISA」「ほったらかし」「コツコツ」「分散」というキーワードで、まずは10万円からコツコツ100万円に増やそうみたいな書籍がずらりと並んでいました。
一方で、「新NISAで投資を始めたけど、このままだと大して資産が増えない」という課題感を持っている人が少なくなかったのかもしれません。手前味噌ながら、私の本が非常に売れているということからも、おそらくそのような潜在ニーズがあったのだと思います。もちろん「新NISA」「ほったらかし」「コツコツ」「分散」が悪いとは全く思いません。

湘南投資勉強会を主催。1982年愛知県生まれ。大阪大学大学院情報科学研究科修了後、東証一部(現・東証プライム)上場のメーカーに研究員として就職。2011年に4年間で貯めた元手300万円から株式投資を始め、追加資金の投入なしに、会社員を続けながらわずか5年で資産1億円を達成。現在は、約3億円を運用。2018年に個人投資家同士の情報交換を目的とした「湘南投資勉強会」を設立。2025年4月に「5年で1億貯める株式投資 給料に手をつけず爆速でお金を増やす4つの投資法」(ダイヤモンド社)を刊行した。イラスト:ひらのんさ
——kenmoさんは会社員の傍ら、元手300万円から5年で1億円の資産を築かれました。投資初心者が「億り人(株式投資で億単位の資産を築いた投資家)」を目指すために必要な投資方法について教えてください。
kenmo:前提として、私が実践しているのは高配当・分散・コツコツとは真逆の投資方法で、短期間で大きな資産を築くことを目的としています。
1つ目が「新高値ブレイク投資」。「新高値」をつけた銘柄をより高いところで売るという手法です。この先も買ってくれる人が多く成長する企業を見つける銘柄選定もシビアですし、高値で買うので損切りもシビアに行います。私は買値から8%下げたら損切りするというルールで運用します。
2つ目が「株主優待需給投資」。3月終わり頃の「権利付最終日」までに上昇する優待株を、8〜11月に安いところで買い、2〜3月にかけて売るシンプルな投資手法です。企業業績に不安がないというのが大前提ですが、あまり株価が下がることを想定していません。
3つ目「決算モメンタム投資」は好決算後の株価上昇を狙う投資手法で、資金を回転売買していくのが基本です。5〜8%下げたら損切りして次の銘柄にいくぐらいの感じで、次へ次へと投資を回していきます。
4つ目の「中長期投資」は、中長期の成長に期待して、株価の安いところで買います。買値からマイナス8%程度での損切りは徹底し、さらに前提条件が崩れた時には手放す判断が必要です。例えば、業績が予想より下回っていたり、外部環境が変化したりするときは損切りの判断が必要です。
——なぜマイナス「8%」での損切りなのでしょうか。