世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター創業者のレイ・ダリオ氏(写真:ロイター/アフロ)
米国の状況は長年にわたる過剰な生活習慣が原因
[ロンドン発]世界最大級のヘッジファンド、米ブリッジウォーター創業者レイ・ダリオ氏が、英紙フィナンシャル・タイムズに掲載された書面インタビュー「米国は1930年代型の独裁政治へと転落している」について、「趣旨が歪められて伝えられた」として、改めて同紙へ送った回答をX(旧ツイッター)に投稿した。
その中で、ダリオ氏は「悪化した状況は長年にわたる過剰な生活習慣、脂肪分の多い食べ物の食べ過ぎや喫煙といった習慣が原因。新予算の大きな過剰支出はおそらく3年後、1、2年の誤差はあるものの、債務に起因する心臓発作を引き起こす可能性が高い」と指摘している。
同氏によると、信用循環システムは体のさまざまな部位に栄養を送る点でヒトの循環システムに似ている。債務と返済が収入よりも速く膨張した場合、プラークのように蓄積し、他の支出を圧迫する。米国政府の利払いは年1兆ドルに達し、債務の借り換えには9兆ドルが必要だ。
市場に流通する国債に基づく米議会予算局(CBO)の長期見通しでは米国の政府債務は今年度末で国内総生産(GDP)比100%。このままでは2029年には107%になり戦後最高(1946年の106%)を更新。35年に118%、45年に136%、55年には156%に膨れ上がると予測されている。