2025年7月12日、ホクレン・ディスタンスチャレンジ 千歳大会、男子5000mに出場する山口智規 写真/アフロスポーツ
(スポーツライター:酒井 政人)
青木瑠郁が5000mで國學院大記録を更新
今年は9月に東京世界陸上が開催されることもあり、日本インカレが6月上旬(例年は9月上旬)、日本選手権が7月上旬(同6月上旬)に行われた。両大会で勝負した大学があった一方で、初夏の競技会でタイムを狙った大学もあった。
そこで6~7月のレースで好タイムをつかんだ学生ランナーたちを紹介したい。
まずは6月11日のホクレン・ディスタンスチャレンジ深川大会だ。5000mC組で酒井健成(神奈川大4)が13分47秒84の自己ベスト。同B組では青木瑠郁(國學院大4)が“狙い通り”に國學院大記録(13分34秒85)を更新する13分30秒42をマークして、日本人トップでゴールした。辻原輝(3年)が自己新の13分35秒30で続き、昨季“駅伝2冠”の國學院大が存在感を見せつけた。そして大濱逞真(大東大2)も13分35秒78の自己ベストだった。
6月22日のあおもりディスタンスチャレンジ記録会10000mは5月25日の全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会で敗退した鉄紺が奮起した。
正月の箱根駅伝で“20年連続シード”を確保した東洋大だが、主力選手に体調不良者が続出。緒方澪那斗(4年)と西村真周(4年)は間に合ったものの、岸本遼太郎(4年)と宮崎優(2年)は全日本選考会を欠場した。その結果、わずか11秒差で18年連続出場を逃したのだ。
一度は沈んだチームだが、青森の地で好走。緒方が28分27秒50、西村が28分34秒86、迎暖人(2年)が28分55秒92の自己ベストをマークした。
「緒方と西村が全日本選考会から調子を上げてきましたし、宮崎も全国男鹿駅伝でレース復帰しました。ピーキングさえ合わせることができれば全日本選考会も通過できたのではないでしょか。それが証明できて、選手たちも安心したと思います」(酒井俊幸監督)
秋シーズンはこれまでと少し異なり、まずは出雲駅伝に集中して、箱根駅伝を見据えていく方針だ。例年とは別のアプローチで鉄紺軍団が巻き返しを図る。