「台湾は国防予算をGDP比の10%程度にすることが必要だ」

「中国は目的達成のために南シナ海や台湾周辺で見られるように大規模かつ前例のない軍事力増強を進めている。中国が米国、その同盟国とパートナー国を支配できないようにしなければならない。現状維持には強さが必要だ」とコルビー氏は強調している。

 コルビー氏は次官就任前の昨年1月、ロンドンにある有力シンクタンク、英国王立国際問題研究所(チャタムハウス)で「中国は台湾を征服する準備をしている。日本は27年度に防衛費をGDPの2%にすると言っているが、今すぐ3%にすべきだ」との考えを示した。

「米国人(在日米軍)がいなくなったらどうするのか。日本人は武士道サムライやバンザイ突撃をするつもりなのか」と中国の軍事増強に危機感をあらわにした。「太平洋第一主義者」を自認するコルビー氏は本当に重要な競争相手はロシアではなく、中国だけと考えている。

 台湾について、トランプ氏は昨年の米大統領選で「米国の半導体産業の全てを奪った。莫大な富を持つ台湾は国防費を支払うべきだ」と突き上げた。コルビー氏も人事承認の上院軍事委員会公聴会で「台湾は国防予算をGDP比の10%程度にすることが必要だ」と追い打ちをかけた。