この2年で約4.7倍に増加したオンラインカジノの検挙人員
特に注目すべきは、利用経験者の4割が違法性を認識していなかったという事実です。先にも書いた通り、これはオンラインカジノが一般のオンラインゲームと似た仕組みで運営されており、犯罪への認識が希薄になりやすいことを示しています。
一部、仮想通貨(暗号資産)の仕組みを利用したNFTゲームといった亜種も出てきておりますが、こちらも恐らくは今後違法という整理となっていくことでしょう。
ここで言うオンラインカジノでは、スマートフォンやパソコンを通じてカードゲームやスロット、さらにはスポーツの勝敗に現金や電子マネーを賭ける仕組みが一般的です。
「初回ボーナス」や「入金不要」といった魅力的な宣伝文句で利用者を誘い込み、気軽に始められる環境を作り出していますが、実際にはオンラインで行われているため、本当に公平な賭けになっているのかや、利用者が決裁で使ったクレジットカードなどの決済情報が適切に管理されているのかについては不明です。マイナンバー制度の漏洩を心配する割に、足元で得体のしれないカジノサイトや決済代行業者に個人情報を伝えてしまう人たちが続出しているのは本末転倒です。
現在、追跡している最中ですが、恒常的に日本人利用者の情報がどこかに漏れているのは確実視されています。クレジットカードやPayPayなどの利用は丁寧に検証する必要があるのではないでしょうか。
さらに、こうしたオンライン上で行われる賭博事犯の検挙人員は急激に増加しています。令和4年は59人、令和5年は107人、そして令和6年には279人と、わずか2年で約4.7倍に増加しました。
前述したように、オンラインカジノの利用経験者は337万人、掛け金の総額は1兆2423億円と、途方もないサービス規模になっていることを考えれば、摘発される素敵な面々が300人弱しかいないなんてことはありえません。間違いなく氷山の一角です。
その結果、検挙される犯罪類型も多様化しており、単純な利用者だけでなく、収納代行業者、アフィリエイター、サイト運営者まで幅広い関与者が摘発されています。