4.イスラエル・イラン戦争の影響

 ロシアの無人機部品の調達先は、イランと中国だと言われている。

 シャヘド型無人機は、もともとイラン製であるため、部品の半数以上、また、重要な部品においてはイランからの調達である。

 現在、イランはイスラエルから航空攻撃を受け、核施設や石油施設が破壊されている。

 イランは、イスラエルへの反撃にミサイルや無人機をできるかぎり多く必要としている。

 このような状況では、イランはロシアに部品を供給する余力はない。逆に、ロシアから支援を受けたいのがイランである。

 イスラエルとイランが急転直下、停戦の話をまとめたとしても、イランにとりミサイルや無人機の増産は必須である。

 当面は、ロシアに輸出できる余力はないだろう。

 したがって今後、イランから無人機の部品の供給が急速に減少するのは間違いない。また、ロシアの無人機生産工場もウクライナの長距離大型ドローンで攻撃を受けている。

 ロシアは部品供給を中国にシフトしたいだろうが、中国が重要な部品の供給まで請け負うことは簡単ではない。できても時間がかかるであろう。

 これらのことにより、ロシアはこのところ1か月間に4500機近い無人機攻撃を実施していたが、今後は急速に減少する可能性が高い。