
ウクライナは5月6~7日、ロシアのモスクワなど各地へ、また6月1日にはロシアの爆撃機基地数か所へドローン攻撃を行った。
ウクライナにとっては大戦果であるが、ロシアにとっては不愉快極まりないことであったようだ。
それゆえ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナのドローン攻撃に対して「報復を行う」と発言し、特にウクライナの首都キーウに対して、大量のミサイル攻撃や無人機攻撃を行った。
これまでにない規模であったという。
このこれまでにない規模の攻撃とは実際にどうなのか、今後ミサイルと無人機の攻撃規模はどのようになるのかについて、以下の順で分析する。
①ロシアのミサイル攻撃数は減少しているか
②ミサイル攻撃増減、その理由と見通し
③ミサイルと自爆型無人機の生産のどちらを優先するか
④イスラエルとイランの戦争で生産量への影響
ロシアのミサイル攻撃数は減少している
ロシアのミサイル攻撃数が減少するときは、生産・保有量が減少しているものと考えられる。したがって、現在は生産量が減少し、保有も枯渇しつつあると予想される。
ロシアによるウクライナ侵攻以降の月間ミサイル攻撃(発射)数の実態(推移)は、グラフ1のとおりである
グラフ1 ロシアのミサイル攻撃数(月間)の推移

昨年までの月間の回数を見ると、最も多い時期は400発であり、最も少ないのが150発であった。
今年になってからは、100~150発で推移している。
例えば、1月から5月までの5か月間の回数を比較すると、2023年では平均約250発、2024年で300発以上、2025年で平均130発である。
全般的な推移から見ると、ロシアのミサイル攻撃数は、減少している。それも半数になっているといえる。