芸能人でもビジネスモデルは違う

 例えば「芸能人」と一言でいっても、その内容は千差万別。「芸能」というサービスを視聴者聴衆に提供するというビジネスモデルが共通なだけで、その芸能コンテンツや、それを伝える方法は、テレビに限らず、劇場・ライブやネット配信とさまざまなものがあります。

 何よりもその芸能のどの部分がビジネスなのかによって、マネタイズ方法が違うはず。

 ベッキーさんのような「タレント」と呼ばれる人は、特定の芸能芸事、技術というより、その時々の社会や世相にマッチしたビジュアル(単なる美醜ではない)、雰囲気、存在感など、非常に数値化のしにくい存在なのではないかと思います。いわゆる「代わりがいくらでもいる」状態です。

 一方の川谷さんはアーティストとして、強固な固定ファンがいます。川谷さんやゲスの極み乙女ファンにとっては、「代わりはいない」のだと思います。

 2人の差は、芸能ビジネスを成立させる顧客との関係性の強さの違いであり、道徳的正否や倫理観ではなく、このビジネスモデルの違いによって、謝罪会見などの危機対応の仕方が変わるといえます。

 よく「世間を騒がせた」という謝罪がありますが、その騒いでいる世間は、その方のビジネスモデルによっては恐らく顧客ではない可能性があります。ワイドショーを見ている視聴者の中で、楽曲ダウンロードやコンサート、配信を購入している人がどれだけいるのかが判断の分かれ目でしょう。