都議選立候補予定者に住民がアンケート実施
守る会の丸山ゑみさんは、「公園と緑地が削られ(下写真)、住民の憩いの場、子どもたちの遊び場が潰れます。2041年までの計画ですが、公共事業は予定より長期化するのが常。その間、景観が悪化し、騒音や地盤沈下のリスクにも悩まされます。シールドマシンは各地で陥没事故を起こしています。地下40mを5.8kmも掘りますが、真下だけではなく周辺広い範囲に影響があるリスクが説明されていません」と住環境への影響やリスクが「C」に考慮されていないと話す。

守る会は、6月の都議会選挙(13日告示、22日投票)に向けての杉並選挙区の立候補予定者に対し、善福寺川上流地下調整池計画に関するアンケートを実施した。B/Cについても真正面から尋ねている。
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問1「本計画は東京都によると工期17年、総事業費1,557億円であり、これに伴い公園と緑地が削られ20余軒の民家の立ち退きが迫られるものです。一方東京都から示された費用対効果(B/C)は、神田川流域河川整備計画全体のものであり、善福寺川上流地下調節池の公共事業としての意義や効果を示してほしいとの住民の要求に応えるものではありません。この状況下、計画を進行させることに賛成しますか。」
問2「その理由をお聞かせください。」
問3「東京都が善福寺川上流地下調節池単独の費用対効果(B/C)を明らかにしないことについてどう考えますか。」
問4「立退(註:立ち退き)だけでなく区分地上権設定は50軒超にのぼり、少なくとも20年以上の用地取得期間が確実視されます。区分地上権設定後は土地登記にシールドマシンが記載されますが、予定地には分譲マンションも含まれており、合意形成はほぼ不可能です。この状態で先に立坑工事を始めれば、シールドマシンが動けないまま工事現場だけが数十年先まで放置されることになります。あなたは立坑工事を始めるべきと考えますか?」
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定数6議席に対し、現職と新人計14人が立候補を予定。14人中8人が回答した。丸山さんは、「『反対』が思ったより多かった」と述べる。「事業には『賛成』でも、『B/Cを明らかにしない』ことについては『示すべき』と答えた候補者が多かった」と述べる。
B/Cへの疑問が広がったのは、善福寺川の北をほぼ並行して流れる石神井川(練馬区)では、「上流地下調節池」単体のB/Cを出しているからだ。先述した「住民と共に歩む専門家会議」では、「国からもらう補助金の種類が違うらしい」との話が飛び出し、ザワついた。