(4)ウクライナ軍が手出しできない基地に離隔したのにやられた
2023年8月、モスクワとサンクトペテルブルクの間にあるソルツィ基地の爆撃機Tu-22バックファイア×2機がドローンにより破壊された。
そのため、ロシア軍爆撃機はウクライナからのドローン攻撃を受けないウクライナから遠く離れたムルマンスク州のオルネゴルスク基地に避難した。
また、2025年3月、大量の無人機でエンゲルス空軍基地が攻撃された。
そのため、この空軍基地にあった航空機をオルネゴルスク(オレニャ)基地、イヴァノヴォ基地、リャザン基地、ベラヤ基地に避難させた。
図 各爆撃機の基地

今回、この基地がドローンで攻撃されてしまった。
ロシアとしては、避難すればウクライナからのドローン攻撃を受けないだろう、あるいは受けたとしても、1~2機ほどの被害が出る程度と考えていたのだろう。
だが、その予想を大きく上回る41機が破壊されてしまった。
(5)最新鋭機種に錆があることから空軍部隊にも気の緩みがある
ウクライナは、A-50早期警戒管制機の真上からの映像を映し、世界に流した。
この映像から、私にはレーダーが収納されている円形のレドームに大きな錆が見えた。
軍事専門家から見れば、最新鋭の電子機器で構成されている電子戦機に錆があることは、大きな驚きなのである。
米国や欧州、日本の早期警戒管制機は、軍用機の中でも最も重要な機である。だから、整備が行き届いているのは当然である。
今回ロシアの機に、大きな錆が見えたのである。
これは、ロシアが極めて重要な機体を整備することができないことを示すものだ。
この機は確実に整備されていて、光り輝いているべきものだ。錆は、ロシア空軍の士気が落ちている、気の緩みがあることを証明している。
また、ドローン対策のために、機体にタイヤを密集させて乗せているのも滑稽なことである。
貴重な爆撃機を守るために、防空兵器や電子戦兵器が設置されていないのだ。
(6)爆撃機が燃える映像を流され、ロシア敗北イメージが形成された
ウクライナの思惑通りに大型爆撃機が炎上している映像が世界に流された。そして、ロシアが敗北に傾きつつあることがイメージされた。
また、その後に現れたプーチン氏は怒りに満ちていた。つまり、ウクライナの広報戦略がずばり的中したということである。