トランプ氏周辺に漂う、「李在明大統領」を歓迎せぬような雰囲気

 同日、ホワイトハウスで行われたブリーフィングでも「異常」な気配が感じ取られた。韓国大統領選挙に対する米ホワイトハウスの立場を尋ねる記者の質問に、キャロライン・レビット報道官は、資料を探す素振りを見せた後、「確かにここのどこかにあったはずなのに…」と答えてから、「まもなく立場を発表する」と付け加えた。

 一方、ポーランド大統領選挙で親トランプ性向のカロル・ナブロツキーが勝利したことに対する反応を聞かれると、「私は大統領が明白にポーランド大統領選挙結果に満足していると考える」と答えた。

 韓国メディアは、ホワイトハウスのこのような反応がトランプ大統領周辺の強硬保守人士の李在明大統領に対する批判的な認識から始まったという憂慮を示している。

 トランプ大統領の熱烈な支持者であるインフルエンサーのローラ・ルーマーは、李在明候補の大統領当選が確定すると、Xに「韓国のご冥福をお祈りする(RIP South Korea)。共産主義者たちが韓国を手中にし、今日の大統領選挙で勝利した。ひどいことだ」と書き込んだ。

 彼女はトランプ政権で公式の肩書は持っていないが、CNNが「トランプ大統領の耳を虜にした人物」と描写するほどトランプ大統領に影響力を及ぼす人物だ。米国ではホワイトハウスの外交安保首長であるマイク・ワルツ国家安保補佐官と主要参謀たちが退いたのも、彼女がトランプ大統領に彼らの解任を促したからという分析が出ているほどだ。

 トランプ政権1期目でホワイトハウス首席戦略家を務め、現在もトランプ大統領に大きな影響を及ぼすとされるスティーブン・ベナンも「韓国は滅びた」という文を載せ、韓国の大統領選挙を強く批判した。韓国大統領選挙直前にはトランプ第1期政権で国家安保補佐官を務めたマイク・フリンが「韓国大統領選挙の不正選挙は中国共産党に利益を与えるだろう」という主張を展開したこともある。

 トランプ氏のMAGA政策を熱烈に支持している彼らは、米国内外の親中人物に向かってよどみなく毒舌を吐くことで有名だ。韓国のメディアは彼らを「極右主義者」だと猛烈に批判しているが、彼らがトランプ大統領に及ぼす影響力だけは認めている。外交専門家からは「早期にアメリカへ特使を派遣して彼らの誤解を解けなければいけない」という主張も出ているほどだ。

 反米・反日・親中的な言動を繰り返すことで左派陣営からの人気を得てきた李在明大統領の過去が、いま巨大なブーメランになって韓国の外交を脅かしている。李在明政権の外交はいきなり高く厚い壁にぶち当たっている。