家でのんびり過ごす夜は最高のぜいたく

 しばらくしてから知ったのは、スウェーデンでは「hemmakväll(ヘンマクヴェル)」という言葉があること。直訳すると、「hemma」が家にいるで、「kväll」が夜の意味。

 夜にお出かけせず、家でゆっくり過ごすことを表す言葉なのだとか。

 どんなふうに使われるのかといいますと、「今日はなにするの?」と聞かれたら、「hemmakvällだよ」と答える。そして、「hemmakväll」と答えた人たちは、大体こんなふうに過ごしています。

 ポテトチップスやポップコーン、もしくは甘いグミなどのお菓子をたんまりと準備。家族といっしょにソファに座って、用意したおやつをつまみながら、ただただ映画やテレビを楽しむのです。

写真:Master1305/Shutterstock

 また、スウェーデンには「fredagsmys(フレーダーグミース)」という言葉もあります。

 直訳すると、「まったり金曜日」「リラックス金曜日」という意味。

 やっぱりこれも、金曜日はお出かけせずに家でゆっくり過ごすということを表しているのですが、専用の言葉まであることにびっくりしたのでした。

 以前は、金曜日になると居酒屋に行って友人たちとお酒を飲むという、まさに「花金」がなによりの楽しみだった私。

 そんな私も、今ではすっかり“家派”に変わりました。

 ノルウェーに住んでいたときに、天気が悪い日が多く、とくに冬は寒くて出かけるのもおっくうで、家にいることが多くなったことがきっかけです。

 そこではじめて、家でゆったりと過ごす「気楽さ」と「ぜいたくさ」に目覚めました。

 出かけるとお金がかかりますし、帰りのことだって考えなくちゃいけない。でも、家だったら、なにも考えずに100%リラックスできるのです。

 眠くなったらいつでもコロッと寝られる気楽さとともに、ソファでくつろぎながら映画を見たり、好きなだけ本を読んだり。はたまた、お酒をちびちび飲んだり。

 すでにお風呂が済んでいる日はいうことなし!もう、最高です。

 出かけるのももちろん楽しいのですが、家なら100%リラックスできる。家でくつろぐのってぜいたくだな〜と、しみじみ実感する日々です。