超長期国債利回りが上昇している背景は?

 たった2カ月で、これほどまで40年国債利回りが上昇するケースは、それほど多くない。財政悪化に対する懸念が、特に償還までの期間が長い40年国債の利回り上昇につながっていると解釈できなくもない。

 しかし、過去4年間、40年国債に代表される超長期国債の利回りが急騰する事態が繰り返されてきている。毎年のように、超長期国債が大幅な利回り上昇に見舞われるものの、数カ月後には、再び落ち着きを取り戻すという段階的な上昇パターンを繰り返しているのである。

 もちろん、趨勢的に超長期国債の利回りは上昇しているため、財政悪化に対する懸念を否定するものではないが、少なくとも過去2カ月は、例年のように上昇スピードが加速する時期であったといえなくもない。

 今後、財政破綻シナリオが現実味を帯びてくるならば、日本国債の指標である10年国債利回りの上昇も伴うことになるはず。ただし図1で確認したように、10年国債利回りの上昇幅は一定範囲内に収まっており、その利回り水準も、いまだに2%を下回っている。

 そのため、超長期国債利回り上昇は、国債の需給要因の影響が、より大きかったとの指摘もある。日本銀行が購入する国債の減額が進んでいることや、保険会社の規制対応による超長期国債の購入が一段落して、超長期国債の買い手が不在になっているからである。

 従来から、日本国債の主たる投資家は、残存期間に応じて異なり、分断化される傾向があるとされてきた。新年度入り後の需給悪化により、超長期国債価格が大幅に下落した(利回りが上昇した)と考えるのも肯けよう。

 ところで、この超長期国債の動静を米国と比較してみると、見え方が異なってくる。