17歳の久保がシニアの舞台で銀メダル

 女子800mは昨年16歳で1分59秒93の日本記録を樹立した久保凛(東大阪大敬愛高)が登場した。決勝は塩見綾乃(岩谷産業)が引っ張り、400mを59秒40で通過。2番手につけていた久保がバックストレートでトップを奪うと、残り200mで後続を引き離した。しかし、最後の直線で中国人選手が猛追。残り40mで逆転を許したものの、自己3番目の2分00秒42で銀メダルを獲得した。塩見は2分03秒59で5位だった。

「1周目は塩見さんが前に出てくださったので、リラックスして1分を切るペースで入ることができました。ただ優勝した中国人選手をマークしていなくて、ちょっと予想外だったんです。ラストで競り負けてしまい、どんな選手にもしっかり対応する力が必要だと思いました」

 金メダルは逃したが17歳の久保はシニア選手を相手に大健闘。「採点するとしたら80~90点ぐらい」と表情は明るかった。

 今季は静岡国際を2分00秒28のセカンドベストで連覇して、東京世界陸上の開催国枠エントリー設定記録(2分00秒99)を突破。同参加標準記録(1分59秒00)を狙っていたが、5月11日の木南記念は2分02秒29で2位に終わり、レース後は悔し涙を流した。

「木南記念は(好タイムを)出さなきゃいけないという気持ちでしたけど、今回は初となるシニアの国際舞台。挑戦する気持ちで、伸び伸びと走ることができました。予選は2分02秒16で余裕がありましたし、決勝も2分00秒42。ちょっとずつレベルと調子が上がっているので、このまま日本選手権につなげていきたいと思います」

 高校生の久保は6月12日から近畿インターハイに出場予定。7月上旬の日本選手権だけでなく、同下旬のインターハイも見据えている。それから800mは東京世界陸上の参加標準記録が最大のターゲットだ。

「インターハイは1500mと800mで優勝して、東大阪大敬愛高の総合優勝に貢献したい。そして800mは1周目をもっと速く入って、2周目をリラックスして走ることが1分59秒切りにつながると思うので、そこを練習で磨いていきたいです」

 高校生の未知なるパワーがどこで爆発するのか。久保から目が離せない。