2.5000トン級新型艦建造は容易ではない

 北朝鮮がこれまで建造した排水量1000トンを超える軍艦は、わずか6隻である。

 古い順から説明すると、1973年から1975年にかけて、2隻の「ナジン(羅津)」級フリゲート艦が就役した。

 それらの大きさは、全長102メートル、幅10メートルで、排水量は1200トンである。

 そのうちの1隻は、1993年5月の「ノドン」と見られるミサイル発射実験時に日本海に進出したことがある。

 建造後、50年以上経過している。現在、廃艦にされてはいないが、航行している情報はない。

写真 ナジン級フリゲート艦

出典:海上自衛隊プレスリリース(ウィキメディアでは、米海軍が撮影したものとの記述があるが誤り)

 1985年頃、ソホ級フリゲート艦1隻が就役した。

 その大きさは、全長74メートル、幅16.5メートルで、排水量は1600トンである。

 大きな欠陥があり、ほとんど係留されたまま動くことはなかった。

 現在は、廃艦になっている。「ミリタリーバランス2016」には掲載されていたが、「ミリタリーバランス2017」からは削除されている。

 2013年頃に就役した南浦級コルベット艦(1300トン)は2隻で、それらの大きさは、全長76メートル、幅11メートルで、排水量は1300トンである。

 そのうちの1隻が2023年8月にミサイル艦に改修され公開された。

 側面から見ると、日米のイージス艦の形状に似ているが、形だけが似ているだけで、イージスシステムに類似した機能はないようだ。

 ミサイル発射は、セルから垂直発射されるのではなく、側面から発射するもので珍しく独特のものだ。

写真 巡航ミサイルを発射している南浦級コルベット艦

出典:朝鮮中央通信2023年8月

 北朝鮮が1970年、1980年代に建造した大型艦は、ほとんどドックに入っていることが多く、活動は極めて少なかった。

 2013年に建造した1300トンのコルベット艦は、活動しているようだ。