当時の全日本ではマイクアピールはほとんどなかったが、怒りが収まらない鶴田はマイクを掴むと「天龍、来い、この野郎! いつでも!」とアピール。

「ジャンボにはこういう気迫を見せてもらわなきゃいけないですね。今までちょっと大人し過ぎたですね」と、またまた馬場は嬉しそうにコメントした。

 馬場は長州たちが離脱して沈滞ムードだった全日本を変えてくれる何かを欲していた。

 そしてエースの鶴田が覚醒する材料も欲しかった。それに応えたのが天龍だった。

「俺がジャンボや輪島のケツを叩くよりも、仲間だった天龍にこき下ろされて、リング上で喧嘩腰になって向かって来られれば、そのほうが発奮材料になるだろ」

 馬場は、表面的には反体制でも全日本を活性化させ、鶴田を熱くさせる天龍革命を全面的に支持したのである。

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