さくらさんと娘のマコさん(写真提供:さくら)

 障害者支援を中心に様々なコミュニティを運営するさくらさんは、次女が重度の障害を持っていると知ったときに絶望のどん底に突き落とされた。彼女はいかにして希望を見出して精力的に活動できるようになったのか。『障害のある子が生まれても。』(A-Works)を上梓した社会調律家のさくら氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)

──お子さまに障害があることが分かったときのことについて書かれています。

さくら氏:15年前のことです。私には娘が2人いますが、長女が2歳のときに次女のマコが生まれました。長女は健常児でしたから、母子手帳や一般的な育児雑誌などを参考に子育てをしていました。

 生後6カ月のタイミングで、次女が難病を持っていることが分かりました。まさに青天の霹靂というか、最初はその事実を理解して受け止めることができませんでした。重度の障害を持つ子であり、しかも医師からは寿命も短い可能性があると言われ、頭が真っ白になって無力感に呆然としました。

──マコさんの障害とはどのようなものですか?

さくら氏:筋ジストロフィーの中の「福山型先天性筋ジストロフィー」という疾患です。福山幸夫氏というこの病気を発見した医師の名前から取った病名です。

 マコの場合は、生まれたときは健常児だと思われたのですが、時間が経つにつれ、寝返りをしなかったり、筋肉がふにゃふにゃしていたりといった特徴が気になるようになりました。

 この病気は筋肉の病気です。通常、筋肉というものは使うと壊れ、また再生します。その筋肉を再生する力がほぼないのです。

 CK値(クレアチンキナーゼの値)という筋肉や脳の損傷の指標があります。この値は数百ぐらいが正常なのですが、マコは生後6カ月の血液検査で万の値でした。

 この病気は、個別に症状の現れ方は異なりますが、脳と目と筋肉に影響が出ます。マコの場合は、脳の萎縮があるので、知的な障害も見られます。同じ福山型先天性筋ジストロフィーでは、知的な障害がない場合もあります。

──移動は自分でできるのですか?