独裁者崇拝の愚行を終わらせろ
米国は現在、84日間ほどで180を超える国々と通商協定を締結することになっている。まるでばかげた話だ。
それに、たとえそれらの「ディール」がまとまるとしても、果たして長続きするのか。疑わしいと言わざるを得ない。
目の前にカオスが広がっているなかで、企業は長期投資を計画できるだろうか。つまるところ、企業は物事を日単位ではなく年単位で考えなければならない。
今では、共産党という官僚機構がある習近平の中国の方が米国よりも、企業にとって予測可能な存在になっている。
これは実にショッキングな話だ。スキャンダルでもある。
トランプを支持した人々は、束縛を解かれれば彼がカオスをまき散らすことを分かっているべきだった。
「独裁者」の崇拝という愚行は繰り返し起きる。
すでに分かっているように、どんな人物にも絶対的な権力を与えてはならない。そうした権力を欲しがるデマゴーグについては特にそうだ。
トランプの通商政策が成し遂げている唯一良いことは、その事実を改めて教えてくれていることだ。
これらの政策はカオスの前触れだ。
世界の課題はこの愚行に屈せず生き残ることだ。そして米国の課題はこの愚行を終わらせることだ。
(文中敬称略)