『異邦人』で描かれた母と息子の特異な関係

三野:この物語の中で、主人公ムルソーは母の記憶を少し語りますが、その中に「母はいつも、ぼくがすることを黙って見ていた」という一文があります。やはり寡黙な母の姿が

残り3748文字