その際、国民の判断材料となるのが、北朝鮮への防衛を担保する上での日米韓の協力、特に不確実性を増すトランプ大統領との関係を誰がマネージできるのか、ということである。さらに国民生活との関連では、トランプ大統領の関税政策をはじめとする経済政策の影響を如何に縮小するかということだろう。
李在明氏でトランプ大統領といい関係が築けるとは思えない
李在明氏のこれまでの言動を見ると、トランプ大統領とはソリが合わなそうに見える。ただ、一部では「李在明氏は意外と現実主義者の側面がある」とも言われている。
先月、アメリカで開かれたトランプ大統領の強力な支持団体である米国保守連合(American Conservative Union)主催の『CPAC2025』では、韓国の弾劾状況もスピーチや討論のテーマに取り上げられた。この行事に参加した主要政治家たちは、尹錫悦大統領を「米国を愛し、米国と緊密に連携する人物」と評価する一方、李在明代表については「中国融和的で北朝鮮親和的な人物と批判的にとらえていた。
李在明氏の言動には反日米的なものが多い。その代表的なものは、大韓民国は「親日勢力が米占領軍と合作して成立した国」であり、「問題は米軍が朝鮮半島から撤収しないこと」という言説だ。
ウクライナとの首脳会談でトランプ氏が強硬な態度を示したのは、ゼレンスキー氏にこれまでの米国の支援に感謝する姿勢が見えないことだった。そして、これまでの李在明氏はあたかも在韓米軍が悪のような言い方をしてきた。韓国とウクライナと比較しても米国の韓国への支援は絶大であるだけに、李在明氏にトランプ氏が怒りの感情を爆発させても不思議ではない。
ところが最近では、英エコノミスト誌とのインタビューで李在明氏は、「日本との関係をさらに深め、韓米日の3カ国協力を持続することに異議はない」と述べ、トランプ氏にノーベル賞を、などと述べている。
こうした発言の変化は、トランプ政権の誕生および次期大統領選挙を意識し、急進左派のイメージ払拭を狙うための軌道修正と見られる。
しかし、トランプ氏がこうした見え透いたおべんちゃらに動かされるとも思えない。