ハンギョレ新聞の社説は米韓関係を一層こじらせる
ハンギョレ新聞は、米・ウクライナ首脳会談の模様を詳細に報じつつ、社説でこう述べた。
〈米国のドナルド・トランプ大統領が、自国のためには弱小国の重要な「安全保障の利益」を犠牲にしうるという態度を公の場で明らかにしたことで、韓国などの米国の同盟国も安全保障の対米依存度を早く下げなければならない状況に追い込まれることになった。「変化した米国」という厳然たる現実を受け入れ、しばらく止まっていた韓国の戦時作戦統制返還の議論を再開し、北朝鮮・中国・ロシアに対する「ヘッジ外交」によりいっそう努力を傾けなければならない〉
〈韓国の安全保障問題を韓国が主導してこそ、国益を守るべき決定的な瞬間に、堂々と「ノー」を言うことができる〉
つまりは、従来の安全保障面における米国への依存度を減らし、北朝鮮や中国、ロシアから軍事的圧力を受けないよう多面的な外交・安全保障の道を模索しなければならないという主張だ。
ただ、韓国の国民が、こうした革新勢力が主張するような安全保障の姿を望んでいるかどうかは別の話だ。
「李在明大統領」が現実となれば、米韓安保協力には揺らぎが生じるだろう。なによりトランプ大統領も、韓国は既にりっぱに成長を遂げ、援助を必要とする国ではなくなった、と述べている。現在は韓国側が年間10億ドル程度負担している在韓米軍の防衛費について、今後は年間100億ドルを負担すべき、と言ってくる可能性も指摘されている。そこで韓国が独立志向を強めれば、在韓米軍の引き上げを持ち出す可能性も十分ある。
「在韓米軍の撤退」は、これまでの韓国の革新勢力の願望であった。しかし現実的に、韓国を北朝鮮の脅威から守り、成長の基盤を作り上げてきたのは、米国の支援、日米韓の協力であったことは厳然たる事実である。
革新系の主張の危うさを韓国国民が率直に判断すべき時が来ているのではないか。