“20年連続シード”の重みと未来への展望
苦難を乗り越えてシード権を獲得した東洋大。継続中としては最多となる“20年連続シード”を達成したことになる。1年生にとっては生まれる前から続いている金字塔だ。
シード権の重みを理解する4年生は、「先輩方が築いてきた連続シードの伝統にプレッシャーもありましたが、自分たちのやってきたことを信じて、やり遂げることが大切だと考えていました」と小林が言えば、吉田も「石田と梅崎の欠場が決まったときは『シード権は厳しいだろう』という声もありました。でも全員が最後まであきらめず、区間順位が悪くても次の区間で巻き返して、東洋大の強さを見せることができたと思います」と胸を張った。
チームを引き継ぐことになる3年生は4年生に感謝の気持ちを抱いている。
「直前で洸介さんや梅崎さんが出場できなくなり、一人ひとりが『自分がやらなくては』という気持ちが芽生えました。それがレースにも表れたと思います。自分はブレーキになってしまいましたが、そこからシード権を獲得できたのは全員駅伝でチームの力を発揮できた証だと思います」(緒方)
「20年連続シードは全員が東洋大の伝統をつなぐ責任感を胸に抱き、最後まであきらめずに走った結果だと思います。映像を観ても、全員が苦しいなかでもしっかり粘った。内堀は最後まで前が見える位置で走り切り、周さんもきつそうななかで本当にカッコよく走ってくれました。一人ひとりの粘りがシード権獲得につながったと思います」(西村)
「石田さんや梅崎さんがいないからといってあきらめることはなく、『絶対にやってやろう』という気持ちで走りました。急遽のオーダー変更がありましたが、10人全員が責任感を持って、あきらめずに走ったのが連続シードの要因だと思います。特に小林さんと周さんの走りに感動しましたね」(網本)
そして準エース区間の4区で7人抜きを演じた岸本は“次なる戦い”を見つめている。
「20年連続シードを確保しましたが、本来ならもっと上位でゴールしたかったと全員が感じていると思います。今回も上位を目指して取り組んできたので、来年はそれを現実のものにしたい。具体的には『3位以内』が目標です。東洋大は常にトップスリーにいたイメージがあるので、その頃の姿に戻していけるように努力していきたいと思います」
学生駅伝の“トップスリー”へ。2025年シーズン、東洋大の新たな挑戦が始まろうとしている。