復路も熾烈なシード権争いを展開

 往路を終えた時点で8位~14位までが2分01秒差。熾烈なシード権争いのなかで東洋大は復路を9位でスタートした。6区の西村真周(3年)は目標タイムの「58分20秒」に36秒届かなかったが、8位の立大に3秒差まで接近した。

「エースふたりが走れないとわかったときは本当に焦りましたが、気持ちを切り替えて臨みました。3年連続の6区ということで、チームの順位を上げて、勢いをつけたいという思いがありました。序盤の上りは非常に良いペースで走れたんですけど、下りで思うようにペースが上がらず、苦しみました。その結果、区間順位(9位)は良くありませんでしたが、残り3kmは4年生のことを思いながらしっかり走り切ることができたと思います」

西岡真周選手

 7区は6区のリザーブだった内堀勇(1年)が出走。12位に転落するも区間12位でまとめた。

「自分の希望で6区の準備を進めていましたが、11月に大腿部を疲労骨折。監督から『山下りは負担が大きい』と言われ、その時点で他区間の準備をすることになりました。そのため7区に決まった際は、さほど驚きませんでした。気持ちを切り替え、冷静に臨むことができたと思います。しかし、自分の走りを評価すると60点ほどです。走り込み不足を痛感するレースになり、順位を落としたのが非常に悔しいです。この経験を今後に生かして、頑張りたいと思います」

内堀勇選手

 一度はシード圏外に弾きだされたが、8区に起用された網本佳悟(3年)が奮起する。区間2位の快走で、東京国際大と帝京大を抜き去り、日体大と同記録の9位タイでタスキをつなげたのだ。

「当初は7、8、10区が候補に挙がっており、10区が有力だったんですけど、前日夜に8区が決まりました。14秒前にスタートした日体大がシード圏内だったので、まずは追いつこうという気持ちでスタートしたんです。ポイントになると考えていた遊行寺の坂は声援が大きく、力をもらいましたし、前の選手が見えると元気がわいて追うことができました。上りが得意ですし、8区は自分の力を最も発揮できるコース。今回は焦らず落ち着いて走れたのが良かったと思います」

網本佳悟選手

 9区は前回2位の活躍を見せた吉田周(4年)。13秒前にいた順大を逆転すると、一度はかわされた帝京大を抜き返して、8位に浮上した。

「直前に7~12位くらいまでが混戦だという情報が入っていました。3年生以下に何か残せるとしたら、102回大会の出場権だと思っていたので、それだけは絶対に守り抜こうと考えていたんです。自信はありましたし、ひとつでも上位で渡すことを目標に走りました。今回は序盤から速いペースで入るかたちになり、後半は脚が動かなくなりました。梅崎が2年時にマークした1時間08分36秒という目標タイムに届かず、悔しかったです。点数にすると50点ですね」

吉田周選手

 10区の薄根大河(2年)は帝京大、順大、東京国際大と競り合うかたちになり、4校の集団が崩れることなくゴールに突き進んだ。残り約3kmでペースを上げて揺さぶると、得意ではないスパート合戦に耐えて、総合9位でフィニッシュ。厳しい戦いのなかでも、東洋大がシード権を死守した。

「シード権争いを想定していたので、かなり緊張していました。無理に突っ込みすぎて後半失速するわけにはいかないと考えて、自重しすぎた部分がありましたね。その結果、意外と早いタイミングで追いつかれてしまい、自分で自分の首を絞めてしまったと感じます。4校がシード権争いを繰り広げることになり、恐怖心との戦いでした。仕掛けどころを決めていたわけではありませんが、誰かがいく前に仕掛けようという気持ちでした。ゴールで梅崎さんと石田さんが迎えてくれて、安堵感を含めていろいろな思いが込み上げてきて最後は涙が止まりませんでした」

薄根大河選手